研究概要 |
Fuji Computed radiography(FCR)を利用したComput-ed panoramic tomography(CRT)はDigital化されたX線情報をCo-mputerで処理して画像を再現記録するものである. このCRTに使用しているFilmに代わるSensorとしてのimaging Plateは, 入射X線量に対して発光量が広い範囲にわたって直線関係である. さらに, CRTがDigital imaging Systemであることから出力画像の自由な操作が可能である. すなわち, 階調処理による濃度, Comtrastの調整および周波数処理による特定空間周波数領域の強調により視覚のレスポンスに合った診断能の高いCPT像を得る事ができる. そして, CRT像の臨床的診断価値は, 画像処理条件によって決定される. そこで我々は, 嚢胞性疾患, 炎症性疾患, 腫瘍性疾患, 線維性骨疾患の中から, 下顎臼歯部に限局した代表的顎骨疾患を選び, 顎骨疾患における画像処理とその診断的意義について検討し, 次の結論を得た. 1.顎骨病変の診断的空間周波数領域は, 0.25〜1.0cycle/mmの範囲であった. 2.周波数強調処理は低い空間周波数領域(0.25〜0.5cycle/mm)ほど弱く, 高い空間周波数領域(1.0〜2.0cycle/mm)ほど強くした方がより診断効果の高い画像を得る事ができた. 3.直線階調を基本とする階調処理が最も骨梁を明瞭に抽出した. 4.周波数強調処理主体の画像は顎骨病変の輪郭, 骨の破壊の状態および顎骨骨梁パターンを明瞭に抽出した. しかし, 線維性骨疾患のような希薄な骨梁の抽出には適さなかった. 5.階調処理主体の画像は顎骨病変の濃淡の変化を把握するのに有効であった.
|