Fujicomputed radiography(FCR)を利用したcomputed panoramic tomography(CPT)はDigital化されたX線情報computerで処理して画像を再現記録するものである。そして、CPTはDigital imaging systemであることから出力画像の自由な操作が可能である。すなわち、階調処理、周波数処理により視覚のレスポンスに合った診断能の高いCPT像を得ることができる。 そこで、我々はCPTを用い骨系統疾患であるDown症の下顎骨骨梁の分析に応用した。さらに、二次元のpower spectramとそのモデル的数式化により下顎骨骨梁パターンの物理的定量、定性評価を行い次の結論を得た。 1.Down症の下顎骨骨梁は年齢差による変化は少なく、X線不透過性の弱い密な骨梁パターンを示した。 2.健常者の下顎骨骨梁は加齢的な形態の変化を示すが、コントラスト変化は比較的一定であった。 3.Down症は低周波数領域(0.32〜0.46cycle/mm)、高周波領域(1.0〜1.6cycle/mm)ともに年齢差(18〜40歳)による骨梁の変化は示さなかった。 4.健常者は低周波領域(0.31日よ0.5cycle/mm)の骨梁については年齢差に(18〜49歳)による変化を示したが、高周波領域(1.0〜1.4cydle/mm)の骨梁は年齢差による変化を示さなかった。 5.Down症の下顎骨骨梁パターンおよぴ骨梁情報量は40〜59歳の健常者に類似していた。 さらに、我々は襄胞性疾患、炎症性疾患、腫瘍性疾患、腺維性骨疾患についてもCPTを応用し、顎骨骨梁パターンの解析を施行して行くつもりである。
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