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1987 年度 実績報告書

血液像及びpH濃度による乳歯歯髄炎の鑑別診断に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62570916
研究機関広島大学

研究代表者

長坂 信夫  広島大学, 歯学部, 教授 (30064827)

研究分担者 森尾 善子  広島大学, 歯学部, 助手 (40174396)
三宅 雄次郎  広島大学, 歯学部, 助手 (40174148)
キーワード乳歯歯髄炎 / 血液像 / pH濃度 / 鑑別診断
研究概要

目的:小児歯科臨床において, 乳歯歯髄炎の診断を的確に行うことは難しい. 特に, 歯髄切断処置か抜髄処置かを選択する客観的な歯髄診断法は確立されておらず, より適切な歯髄処置を行うためには客観的な歯髄診断法が必要である. そこで, 今回, 歯髄切断処置を前提とした乳歯〓蝕歯の冠部歯髄の血液像及びpH濃度による乳歯歯髄炎の鑑別診断について検討した.
方法:長坂の臨床診断基準に従った臨床診査後, 歯髄切断処置が必要とされた〓蝕歯を通法に従い, 歯髄腔解放後, ガラス毛細管にて採血し, 作製した薄層塗抹標本を顕鏡し, 各種白血球の百分率を算出した. さらに, 鋭匙にて可及的に摘出した冠部歯髄の病理組織像と血液像を比較検討した. また, 血液のpH濃度については, 少量の採血量でpHが測定できるように, あらかじめ健康な犬の静脈血を用いて, 血液の希釈濃度とpHの関係を調べ, 臨床的な血液のpH濃度測定方法を検討した.
結果:1.歯髄切断処置が必要と診断された乳歯歯髄内の血液像では, リンパ球の比率が高かった. 2.病理組織像では, 50症例中, 炎症程度(-)はなく, (+)21例, (〓)21例, (〓)8例で, (+)(〓)は生活歯髄切断処置, (〓)は抜髄処置が適切と考える. 3.(+)(〓)はリンパ球の比率は60%以上が多かったが, (〓)はすべて60%未満だった. 4.冠部歯髄切断後の止血困難症例数は, (+)4例(19.0%), (〓)5例(23.3%), (〓)6例(75.0%)だった. 5.冠部歯髄切断後, 止血困難で歯髄内血液像のリンパ球の比率が60%未満の場合は, 抜髄処置へ移行した方が良いと考える. 6.血液を蒸留水で希釈してpH濃度を測定した場合, 濃度1%以下では濃度の増加に伴ってpHが上昇し, 一定値をとらなかったので, 今後, 血液のpHを測定するにあたり, 濃度を1%より高くする必要があると考える.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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