研究課題/領域番号 |
62570924
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 城西歯科大学 |
研究代表者 |
五嶋 秀男 明海大学, 歯学部, 教授 (60049343)
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研究分担者 |
桜井 進 明海大学, 歯学部, 助手 (70153955)
尾木 啓司 明海大学, 歯学部, 講師 (80152403)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 歯帯孔 / 位置 / 大きさ / ヒト / カニクイザル / 電顕 |
研究概要 |
本研究はカニクイザルとヒトの歯帯孔の位置、大きさ、およびカニクイザルの歯帯管内軟組織を電子顕微鏡で観察し以下の結果を得た。 位置:乳歯列期のカニクイザルとヒトの晒した頭骨で、歯帯孔が先行乳歯に対して、どのような位置に存在するかについて観察検討を行った。その結果、カニクイザル、ヒトともに歯帯孔の位置は、上下顎各歯種とも、左右対称に存在する。また上顎中切歯、側切歯、犬歯、下顎中切歯、側切歯、犬歯の歯帯孔の位置は当該乳歯の中央部から近心に位置している。 大きさ:新たに開発した歯帯孔の面積読み取り装置を用い、乳歯列期のカニクイザルとヒトの歯帯孔の面積を検討した。その結果、カニクイザルの歯帯孔の大きさは上顎では中切歯、犬歯、側切歯、下顎では中切歯、側切歯、犬歯の順である。ヒトの歯帯孔の大きさは上顎では側切歯、中切歯、犬歯、下顎では中切歯、側切歯、犬歯の順である。カニクイザル、ヒトともに同名歯の歯帯孔は上顎の方が下顎より大きい。 電顕所見:生後約3か月と約1年のカニクイザルの歯帯管内軟組織を電子顕微鏡で観察した。その結果、生後3か月のものの残存上皮の基底膜は、全体的にはっきりしている。また形成が活発なため、毛羽立ったようにみえる。細胞内成分に大差は認められないが、トノフィラメントの凝縮、顆粒化は生後3か月ですでに始まっている。退化の進んだ細胞は、生後3か月のものに少ないが、歯肉に近い部位の残存上皮の一部に、ミトコンドリアが膨れて液状になり、そのため細胞内部が泡状にみえるものがある。結合組織中のコラーゲン線維は、歯胚に近い部位には少ないが、歯肉に近い部位では非常に多く、緻密になっている。また結合組織中に残存上皮細胞より放出さされたと思われる構造物は認められない。
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