研究概要 |
(+)酒石酸ジエチル(1__〜)と4Tosyl-2-butanoneまたは3-Tosylpropanalから酸触媒アセタール化, NaBH_4による還元, Tosyl化またはMesyl化, 次いでn-BuLiによる閉環反応により総収率47〜55%で6.8-dioxabicyclo〔3.2.1〕octane誘導体(2__〜)を合成し, (2__〜)より以下に記す方法でこのbicyclo骨格の位置および立体選択的官能基化に成功し, その中で雄イエネズミ性フェロモンの光学活性体( )を合成した. (2__〜)をCF_3CO_2Hの存在素臭下化し4-brom体(3__〜)を高収率で得, 次いで亜鉛・銅カップルで化学選択的に脱硫的脱離反応を行いオレフィン体(4__〜)を65〜73%で得た. (4a__〜)にMe_2CuLiを作用させ(+)-3.4-dehydro-exo-brevicomin(5__〜)を合成した. また(4b__〜)のMesyloxy基を官能基変換し, Benzyl ether(4c__〜)に誘導し, MCPBAを作用させ高収率でα-epoxide(6__〜)を得た. 次いでn-BuLiで異性化しallyalcohol体(7__〜)(85%)とし, (7__〜)より2, 3の方法でclaisen転位反応を行った. 特にその中でCH_3C(OMe)_2NMe_2と共にdiglyme中加熱により82%の高収率でamide体(8__〜)を得た. (8__〜)に含水THF中ヨー素を作用させIodolactone体(9__〜)を77%で得た. 今後(1)フェロモン(5__〜)の絶対配置と生物活性を調査する目的で(-)(1__〜)から(-)(5__〜)の合成, (2)官能基化したbicyclo体(9__〜)より2位, 7位の側鎖を伸長し, 変形プロスタイノドの合成, (3)bicyclo環(9__〜)の開環により光学活性トロンボキサンB_2の合成, などを検討する予定である.
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