研究課題/領域番号 |
62570947
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
幸田 光復 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60124286)
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研究分担者 |
貝谷 トヨ 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (10080201)
川添 豊 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80106252)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | アミノ化 / デオキシグアノシン / グアノシン / グアニン / N-アミノグアニン |
研究概要 |
(1)8-NH_2-グアノシンの生成機構について 発癌性アリールヒドロキシルアミンの反応種であるアリールニトレニウムイオンはDNA中のグアニン(G)残基のC-8位に付加体を与えることが知られている。しかしなぜ求電子反応が、Gの他の求核部位に起こらずC-8位に起こるかは未だ不明である。我々はその機構は明らかにするため、簡単なモデル化合物としてNH_2OSO_3H(HAOS)や2,4-ジニトロフェノキシアミン(DNPA)を用い、核酸塩基のアミノ化反応を行い、基礎的知見を得ることを目標とした。グアノシン(G_<Rf>)とHAosとの反応では8-NH_2-G_<Rf>が生成したが、そのメカニズムは、先ずN-7位にNH_2化が起こり、ついでHAOSの分解物であるNH_2OHが7-NH_2-G_<Rf>の8位を求核的に攻撃し、中間体の7-NH_2-8-NHOF体を生成し、引き続き7位のNH_2基の脱離により8-NHOH-G_<Rf>となり、更に過剰のNH_2OHにより還元され、8-NH_2-G_<Rf>となることを明らかにした。また中間体の7-NH_2体は容易に水と反応して8-OH体となることが分かり、実際、発癌性4HAQOをセリルAMP共存下DNAと反応させ生成物を調べると、DNA-4HAQO付加体の他に8-OH-Gが生成していることが明らかとなった。 (2)N-NH_2-グアニンの合成について グアニンの環内N原子のモノ置換体としては、メチル化、ヒドロキシ化が知られており、それらは1、3、7、9位、各位の位置異性体が報告されているが、アミノ化については先に我々が報告した7-NH_2-Gしか知られていない。今回我々はHAOSとDNPAを試薬に用い、デオキシグアノシン(dG)とO^6-メチル-Gを基質に用いることにより、すべてのN-NH_2-G異性体の合成に成功した。興味あることにN-NH_2-GのUVは対応するN-メチル-Gと同じであり、またグアニン誘導体に対する求電子的アミノ化反応はCH_3Iによるメチル化反応と同じ位置選択性を示すことを明らかにした。
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