| 研究概要 |
強壮を目的に用いられる生薬, 刺五加および杜仲からdioxabicyclooctane型リグナンのpinoresinol,medioresinol,syringaresinolなどのモノおよびジ配糖体を単離した. そのcAMP-phosphodiesterase阻害活性につき, アグリコンとその配糖体の構造活性相関について検討を行なった. その結果阻害活性は例えばsyringaresinolの配糖体にみられるようにアグリコンのIC50:7.5×10^<-5>M, モノ配糖体のIC_<50>:14.2×10^<-5>M, ジ配糖体のIC_<50>:8.9×10^<-5>:8.9×10^<-5>Mの如く, その相関はジ配糖体≧アグリコン>モノ配糖体という関係にあることが明らかとなった. またこの関係は絡石藤からの2,6-diarylbutyrolactone型リグナンのmatairesinol,nortrachelogeninなどの配糖体においても同様の結果が得られた. 以上のことから高い阻害活性を示すアグリコンからのジ配糖体はさらにその阻害活性を高めることが明らかとなった. そこでオリーブ樹皮から得られ, 高い阻害活性IC_<50>:3.2×10^<-5>Mを示す(+)-1-acetoxy-pinoresinolをジ配糖体に誘導したところ予想通り非常に阻害活性の高いIC50:1.1××10^<-5>Mの化合物を得ることが出来た. これら阻害活性の高い化合物には種々の薬理作用が気体出来る. とりわけジ配糖体が共通して強壮生薬から見出されたことは, その生薬との薬効の関連を予想させた. そこで刺五加から単離したsyringaresinol di-O-β-D-glucosideにつきラットの遊泳運動実験を行なった. その結果syringaresinol di-O-β-D-glucosideは慢性的運動ストレスに対し, その運動持久性を高める効果のあることが明らかとなった. このことはこれら化合物を含む強壮生薬に科学的評価を与える一つの根拠となるものである.
チドメグサから単離したl-sesaminに血液凝固促進作用を見出した. さらに現在関連化合物についてその構造活性相関を検討仲である.
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