研究課題/領域番号 |
62570949
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研究機関 | 東日本学園大学 |
研究代表者 |
西部 三省 東日本学園大学, 薬学部, 教授 (40101290)
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研究分担者 |
北川 静香 東日本学園大学, 薬学部, 助手 (50153094)
伊奈 郊二 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80096685)
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キーワード | 生薬 / リグナン / 生理活性 / 血液凝固促進作用 / 活性酸素産生抑制作用 / 気管平滑筋弛緩作用 / 血小板凝集抑制作用 |
研究概要 |
チドメグサ(Hydrocotyle sibthorpioides)から単離したLーsesaminに血液凝固促進作用を見出した。一方Lーsesaminと対象体であるdーsesaminにはその活性が認められなかった。さらに関連化合物についてその構造活性相関を検討する目的で、芳香環がguaiacyl基でdioxabicyclooctane型のリグナンのpinoresinol、芳香環の置換基にmethylenedioxyl基を有し、diarylbutyrolactone型リグナンのisohinokinin、pluviatolideおよび芳香環がguaiacyl基でdiarylbutyrolactone型リグナンのarctigenin、matairesinolにつきその血液凝固促進作用のスクリーニング試験を行った。しかしいずれもその活性は認められなかった。Lーsesaminの血液凝固促進作用はその物質に特有の作用と考えられる。 神農本草経の上品に収載され、行〓止血、通経絡、〓風湿薬とされる絡石藤(Trachelospermum jasminoides)の茎部水エキスに活性酸素産生抑制作用ならびにヒスタミンによる気管平滑筋収縮に対する弛緩作用を認めた。その活性本体はエーテル抽出画分に移行する含有成分のarctigenin、matairesinol、trachelogenin、nortrachelogeninでいずれも10^<-4>g/ml濃度で弛緩作用を示した。またarctigenin、nortrachelogeninには現在抗リウマチ薬として市販されているauranofinとほぼ同程度の活性酸素産生抑制作用(IC_<50>:3×10^<-6>M、8×10^<-6>M)が、trachelogenin、arctigeninには、aspirinとほぼ同程度の血小板凝集抑制作用(試料濃度0.5mg/mlでの血小板凝集抑制率:35.4±7.6%、34.2±6.8%)が認められた。なお絡石藤に主成分として含有されるリグナン配糖体には上記生理活性作用は認められず、活性を示すためには配糖体が加水分解され、アグリコンとなる必要があることが示唆された。このことはリグナン配糖体を生理活性体のプロドラッグと考えることも出来、さらに今後の詳細な検討が必要な課題である。
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