研究概要 |
1.生物活性の構造因子となるα-メチレンーγ-ラクトン構造を持つテルペン類の一般合成法の開発を研究した. 2種類の分子内にアルデヒド基をもつアリルシリル化合物をルイス酸触媒で, 6.12-ラクトンおよび8.12-ラクトン化オイデスマン型セスキテルペン類の合成に成功した. 2.上と同様の目的で, 種々の炭素鎖のジオール誘導体よりアルデヒド基をもつアリルブロミド化合物を合成し, この化合物をクロム触媒で中員環から大員環(8〜20), 特に12及び14員環化合物の有用な合成法に成功した. 生物活性をもつセンプレノリド型化合物の合成法への道を拓いた. 3.硫黄原子の特性を利用して, α, β-エポキシスルホキシド類を有用な合成中間体として, これに求核剤を反応させて炭素鎖の伸長を伴うα-置換カルボニル化合物の新しい合成法の開発を研究した. (1)この反応により種々のアルキルビニルケトン類, ジビニルケトン類. (2)α, β-不飽和ケトン類, α, β-不飽和エステル類の合成. (3)α-アルコキシケトン類の合成に成功した. 4.分子内にヒドロキシル基をもつα, β-エボキシスルホキシド類より分子内閉環反応で新しい環状エーテル類の新規な合成法を見出した. 5.炭素側鎖の末端に脱離基としてフェニルセレニイル基をもつα, β-不飽和ケトン類にラジカル反応させ, 新しい閉環反応に成功した. 6.光学活性な1-クロロアルキルフェニルスルホキシドの実用的合成法を開発し, これより光学活性なα, β-エポキシルホキシド類を合成した. これより光学活性なエポキシ化合物の新規な合成を開発した. 特に昆虫フェロモン類の短工程による合成法の開発に成功した. この反応は新しい不斉合成法となる.
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