研究概要 |
1.生物活性の構造因子となるα-メチレン-γ-ラクトン構造を持つテルペン類の一般合成法の開発を継続研究した。種々の炭素鎖のアルデヒド基をもつアリルブロミド化合物を低原子価クロム触媒で処理し、中員環から大員環(8〜20)化合物の一般的な合成法に成功した。 2.海洋生物より見出だされた生物活性をもつセンブラン型ジテルペン、サルコフィンの全合成を研究した。左右二つの部分構造の化合物をモノテルペン、ゲラニオールおよびカルボンからの合成を検討して成功した。この両化合物の縮合による目的の天然化合物の全合成を研究中。 3.α,β-エポキシスルホキシド類を有用な合成中間体として、これよりα-置換カルボニル化合物の新しい合成法の開発を継続研究した。 (1)この反応により種々のアルシブタジェン類の合成法に成功した。 (2)(1)α,β-エポキシスルホキシド類の合成法に成功した。 4.分子内にヒドロキシル基をもつα,β-エポキシスルホキシド類より分子内閉環反応で新しい2-アシル環状エーテル類、3-ケト環状エーテル類およびスピロ環状エーテル類の新規な合成法を見出した。 5.光学活性な1-クロロアルキルフニルスルホキシドの実用的合成法を開発し、光学活性なα,β-エポキシスルホキシド中間体より光学活性なエポキシ化合物の新規な合成法を開発した。特に昆虫フェロモン、ジスパルールの短工程による合成法の開発に成功した。 6.光学活性なα,β-エポキシスルホキシド類より光学活性なα,β-エポキシ類およびアリルアルコール類の合成に成功した。 7.トリスルフィニル化合物よりN-アリールアチリジン類の新規な合成法を見出した。またこの合成法は光学活性体についても成功した。 8.サントニンよりAspergillus nigerを用いる微生物水酸化により種々の化合物を得た。
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