研究概要 |
1.光学活性な3, 4ジヒドロキシー2-ヒドロキシメチルピロリジン類(1)の合成ー強いα-グリコシダーゼまたはα-マンノシダーゼ阻害作用を有する, トリヒドロキシピロリジン(1)の(5)-または(R)-グルタミン酸からの合成を検討し, 不飽和ラクタム(2), およびブテノリド(3)のオスミウム酸による立体選択的なシスージヒドロキシル化反応を行ない, 極めて高い選択性で目的の化合物1(異性体を含めて4種類)を合成した. 2.スワインソニン(4)およびその立体異性体の合成 前項において合成したヒドロキシピロリジン誘導体5および6を使用して, 最初に1級水酸基を酸化してアルデヒドにした後, 8位の水酸基の立体を制御してアリル基を導入することにより炭素鎖3個を挿入し, アリル基の二重結合を手掛りにインドリジディン骨格を構築した. アミノアルデヒドに対するアリル化反応は, 使用する反応剤の金属の種類によって, そのキレート能の違いにより, 立体選択性が全く逆転するという知見を見い出し, スワンインソニン(4)およびその立体異性体(計4種類)を効率よく合成することが可能になった. なお1, 8-ジーエピ体は以前糖から合成されており, その旋光度は(一)の値を持つと報告されていたが, 今回購入した旋光計により我々の合成品は(+)の値を持つことがわかり再検討の結果(+)の値が正しい値であることが判明した.
|