研究概要 |
1.活性エステル法による酸素標識 エンザイムイムノアッセイ(EIA)に用いる標識抗原の調整法は, 感度に影響する因子として重要であり, 再現性が要求される. 今回, N-ヒドロキシコハク酸イミド法をグルコースオキシダーゼ標識に応用し, 条件設定を行なった. すなわち, テストステロンのカルボキシル誘導体を水溶性カルボジイミドの存在下, N-ヒドロキシコハク酸イミドと縮合させて活性エステル化とした. これを, 種々のモル比でグルコースオキシダーゼと反応させて, 標識抗原を調整した. ステロイド結合数および抗テストステロン抗体との反応性は, 標識時のステロイド/酵素モル比を高めるにつれて上昇し, モル比4以上で満足すべき反応性を認めた. EIAは2抗体法で行ない, 結合型の酵素活性を蛍光法で測定した. その結果, EIA感度はモル比により著しく影響されることが判明した. 2.モノクローン抗体を用いるEIA系 EIA感度については, 従来のポリクローン系に加え, モノクローン系での解析が必要視される. そこで, 11-デオキシコルチゾールのモノクローン抗体を作製し, これを用いて基礎研究を行なった. すなわち, ホモロガス系並びにヘテロな系でアッセイを組み, 免疫反応性, 交差反応性を比較吟味し, 感度, ブリッジ現象および特異性に関する知見を得た. 3.17α-ヒドロキシプロゲステロンのイムノアッセイ 上述した成果の応用として, 先天性副腎皮質過形成症のスクリーニングに適用すべく, 17α-ヒドロキシプロゲステロンのポリクローン系EIAの開発並びにモノクローン抗体の作製について研究を行なった.
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