研究課題/領域番号 |
62570986
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大森 晋爾 岡山大学, 薬学部, 教授 (10032872)
|
研究分担者 |
坪井 誠二 岡山大学, 薬学部, 助手 (50172052)
池田 己喜子 岡山大学, 薬学部, 講師 (20112154)
|
キーワード | D-乳酸 / ピルビン酸 / 糖尿病ラット / 飢餓ラット / L-乳酸 / メチルグリオキサ-ル / 2-ハイドロキシ6.7ジメトキシ-3-メチルキノキサリン |
研究概要 |
1.D-乳酸の高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による定量;生体サンプル中のD-乳酸をD-乳酸脱水素酵素でピルビン酸にする。次に1.2-ジアミ14.5ジメトキシンベンゼンで2ハイドロキシ6.7ジメトキシ-3-メチルキノキサリンにする。これをHPLCにかける。検出器は励起波長365mmで測定波長432mmを用いる。この定量法は今迄の方法に比べ非常に高感度であり検出限界は80fmol/10μlであった。定量直線性は0.1〜5nmol/反応液1mlであった。血漿に加えられたD-乳酸の回収率は50nmol/ml血漿では108.3±6.6%であった。またラット肝ホモジネ-トの6000xg上清に加えられた場合の回収率は256nmol/gw.w.では82.3±12.1%であった。 2.糖尿病及び飢餓ラットにおけるD-乳酸及びその関連化合物の代謝と肝への取り込み;ストレプトゾトシンでラットを糖尿病とした。飢餓ラットは72時間水だけを与えたものを用いた。糖尿病ラットでは血糖は正常値の3-4倍増加した。この場合、血漿D-乳酸値は正常群に比べて2倍に増加した。しかしピルビン酸、メチルグリオキサ-ルは減少した。一方、L-乳酸には変化はなかった。糖尿病ラット肝中のD-乳酸は2倍以上増加した。L-乳酸も上昇した。しかし、ピルビン酸とメチルグリオキサ-ル含量は対照群より減少した。糖尿病ラット肝中ピルビン酸キナ-ゼは対照群に比べ減少したがフオスフオフルクトキナ-ゼ活性には変化はなかった。飢餓ラットの血漿中D-乳酸レベルは正常の1.6倍にメチルグリオキサ-ルは2.5倍に増加した。ピルビン酸、L-乳酸は減少した。また、肝中のD-乳酸は1.4倍に増加した。しかし。ピルビン酸、メチルグリオキサ-ル、L-乳酸は減少し、特にL-乳酸の減少が大きかった。この結果、正常代謝ル-トであるエムデンマイヤ-ホ-フ経路からメチルグリオキサ-ル経路に、糖尿と飢餓時には移行すると結論した。
|