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1988 年度 実績報告書

鶏胚を用いた病態モデル(特に眼疾患)の開発と薬効評価系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 62570999
研究機関帝京大学

研究代表者

西郡 秀夫  帝京大学, 薬学部, 助教授 (90050517)

研究分担者 青山 和  帝京大学, 薬学部, 助手 (50167798)
キーワード鶏胚 / 白内障 / グルココルチコイド / 病態モデル / グルタチオン / イソクエン酸 / トリカルボン酸サイクル / 過酸化脂質
研究概要

昨年度に引き続き眼疾患とくにグルココルチコイド(GC)誘発白内障の発症機作の解明と抗白内障薬の検索を行なった。GC誘発白内障はGCの水晶体への直接作用よりむしろ肝などへの多岐多彩な作用が異常亢進し、リスクファクターが産生され血中へ流入しこれが水晶体へ影響することによって発症することが考えられる。そこで代謝中間体を投与し肝機能を修整することにより白内障発症を予防することを試みた。その結果TCAサイクル中間体であるイソクエン酸が白内障の発症を抑制しまたGCで誘発される肝成分、血中成分の変化を抑止した。
実験方法は既報に従った。すなわち鶏胚(15日齢)の気室上部よりヒドロコルチゾンコハク酸ナトリウム(HC:0.25μmol/egg)を投与し、48時間後水晶体、血液、肝などを採取し種々の分析を行なった。その結果1.白内障発症抑止効果と水晶体成分変化への影響:(1)HC単独投与群では約94%の水晶体が白内障となったがイソクエン酸(IC)の3回投与(HC投与後3、10、20時間に15μmol投与)で白濁は顕著に抑止され約78%は透明であった。(2)白内障水晶体中のグルタチオン量は対照群の約1/2となるがIC投与でこの低下は抑制された。(3)水晶体白濁化に伴なうNa/K比の上昇、Caの上昇、ブドウ糖の上昇、過酸化脂質の上昇はIC投与で防止された。2.肝成分の変化:HC投与後肝グルタチオンは24時間で対照群の1/2、また過酸化脂質は48時間後約8倍となるがこれらの変化もIC投与で抑制された。3.血液成分の変化:HC投与後血中トリグリセリド、コレステロール、過酸化脂質、糖の上昇が誘起されるが、いずれの上昇もIC投与で有意に抑止された。
GCの過剰投与は糖代謝(糖新生)の異常亢進を誘起しTCAサイクルの不調をもたらすことが考えられる。おそらくICはこの不調を修整し多くの波及する異常代謝を抑制することによって作用したと考える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] NISHIGORI,H.: Current Eye Research. 7. 989-993 (1988)

  • [文献書誌] NISHIGORI,H.: 8th International Congress of Eye Research. 127 (1988)

  • [文献書誌] 李貞和: あたらしい眼科. 6. 233-234 (1989)

  • [文献書誌] NISHIGORI,H.: J.Pharm.Dyn.

  • [文献書誌] NISHIGORI,H.: Life Sci.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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