研究概要 |
サイクリックGMPの合成調節機構の解明を目的として, その反応を担っているグアニル酸シクラーゼの構造と機能を明らかにすべく, 今年度は可溶性グアニル酸シクラーゼのcDNAクローニングを行った. 可溶性グアニル酸シクラーゼは, 分子量82kDaと70kDaの二つのサブユニットから成ることがすでに明らかにされている. そこでそれぞれのサブユニットの部分アミノ酸配列, および特異的単クローン抗体により, ラット肺のλgt10およびλgt11cDNAライブラリーをスクリーニングし, 82kDaサブユニットに対して8個, 70kDaサブユニットに対して4個の陽性グローンを得た. 70kDaサブユニットに対するクローンのうちの1個は, 塩基配列を決定したところ, すでに決められている部分アミノ酸配列を含んでおり, このクローン(7α-36)が70kDaサブユニットに対するcDNAであることが明らかになった. Northernブロットの結果, 70kDaサブユニットは, 肺や大脳に多く存在し, mRNAは約3.3kbの大きさであることがわかった. 得られているクローン(7α-36)は, 約1.7kbであり, 解析の結果C末端部分の一部を欠いていると考えられた. そこでライブラリーを再スクリーニングして, C末端部分を含むと思われる新たなクローンが16個得られた. 現在その構造解析を行っている. 一方82kDaサブユニットに対するクローンはクロスハイブリダイゼーションの結果, 3グループに分類されることがわかっており, 現在その塩基配列中に, すでに決定されている部分アミノ酸配列が含まれているかどうか解析中である. 今後サブユニットの全構造が明らかになった時点で, 発現系に組み込むことによりそれぞれのサブユニットの機能と活性調節機構を明らかにしていく予定である.
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