研究概要 |
本研究の目的は, 同一個体に現れる疾病の併発確率を計算して, 疾病相互間の併発の起りやすさを, ある種の距離(類似度)で表現することにある. この目的を達成するために, 今年度は, 昭和60年1月から昭和63年2月までの九州大学病院における約2万人の疾病歴データベースのデータを, 信頼性の高いものにする作業を行った. (1) ICDコードに自動変換することができなかった病名を拾い出して, コード化した. (2) 疑診病名を対象からはずした. (3) 同一疾病を異なる言い回しで表現している病名を同一疾病とみなせるようにした. (4) 疾病をICD分類に従ってカテゴリーに大別化した. (5) 業務的に病名点検を医師に繰返し行って貰うフィードバックシステムをつくった. 外来患者の病名は再来を受信する度に毎回主治医にフィードバックして更新を求める. また, 毎月1回外来医長が当月中に受診したすべての患者の病名を点検する. 入院患者の病名は, 入院当日, 退院当日および毎月15日に主治医にフィードバックして更新を求める. また, 毎月1回病棟医長が当月中に入院していたすべての患者の病名を点検する. この更新手続きの努力によって病名データの信頼性が飛躍的に高まりつつある.
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