研究概要 |
我々が網膜と脳との差(プラスーマイナス法)を利用して単離したMEKAcDNAクローンは、コンピューター解析から既知物質と類似性を示さない新しい網膜に特異的なMEKA蛋白質をコードしていることがわかった。MEKA蛋白質(分子量;27KDa,等電点;5.4)の生理機能を知るために以下の実験を行った。 1.抗MEKAの作製 遺伝子操作法を用いてMEKA融合蛋白質を大腸菌内で大量に合成させた。すなわち発現ベクターPEX1がコートするβーgalactosidaseC末端にMEKAcDNAの断片を組み込んだ。SDS-PAGEでMEKA融合蛋白質を分離、抽出してウサギに免疫した。 2.MEKA抗体を用いた実験 抗MEKAを用い種々の動物網膜組織との組織化学、及びウエスターンブロットの解析からMEKA蛋白質は、網膜組織に特異的に発現していること、またその局在が光受容細胞にのみ認められた。正常マウスと網膜変性rdマウスを用いた加令および網膜変性過程での組織化学も行った。現在ウシ網膜からMEKA蛋白質を約30%の純度で精製しており、単一バンドまでの精製を試みている。 3.MEKAゲノムの単離 組織に特異的な遺伝子の発現を解析するためには、そのゲノムの単離が必要であることから我々はヒトMEKAゲノムを単離した。現在ウシMEKAゲノムの単離とこれら遺伝子の発現機序の解明を試みている。
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