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1988 年度 実績報告書

腫瘍プロモーターによるオルニチン脱炭酸酵素誘導の不応答性と過剰誘導の機構

研究課題

研究課題/領域番号 62571029
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

中館 映夫  慶応義塾大学, 医学部, 講師 (60112695)

研究分担者 笹川 展幸  慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20187107)
キーワード腫瘍プロモーター / TPA / オルニチン脱炭酸酵素 / 腫瘍プロモーション / 培養表皮細胞
研究概要

腫瘍プロモーションの実験においては、腫瘍プロモーターである12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)を週2回の頻度(72時間〜96時間間隔)でイニシエートしたマウスの背部皮膚にくり返り塗布するプロトコールが最も有効と考えられ用いられてきた。マウス表皮のオルニチン脱炭酸酵素ODC誘導が腫瘍プロモーターの作用の良い生化学的指標のひとつとされてきた。TPAによるODC誘導は複数回のTPA塗布により影響をうける。即ち初回のTPA塗布後12〜24時間は2回めのTPAによる誘導がみられず不応答状態となり、一方、塗布間隔が72〜96時間になるとむしろODCの過剰誘導がみられる。昨年度はTPAによるODC誘導の不応答性と過剰誘導のメカニズムについて検討を加えたが本年度はODCに不応答性と過剰誘導がみられるTPAの塗布間隔が、実際に腫瘍プロモーション実験での腫瘍の生成量とどのような関係にあるかについて検討した。また、マウス表皮細胞の初代培養系を用いて、TPAによるODC誘導の不応答性についても検討をした。
1.TPAの塗布間隔をODC誘導の不応答性のみられる24時間と、過剰誘導のみられる72〜96時間に設定して腫瘍プロモーション実験を行なったところ、腫瘍の生成はTPAによるODC誘導の不応答性や過剰誘導をおこす塗布間隔とは強い相関性を示さなかった。つまり、ODC誘導の不応答性を示す24時間間隔が塗布しても、TPAは腫瘍形成に対し十分有効に働くことが示された。ODC誘導の不応答性が腫瘍の生成には不利で、過剰誘導が腫瘍の生成に有利に働くというような単純な図式はあてはまらないことが判明した。
2.マウスの培養生皮細胞系においてもin vivoの皮膚の表皮でみられた様な不応答性に対応するような現象が認められた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Eriko Aizu;et al.: Carcinogensis. 9. 307-313 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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