昨年度までにミニコンピュータ上で作成したプログラムのうち、血液検査データ解析プログラムは完成し、血液病専門家の協力をえて血液疾患患者155例の臨床データを入力して診断精度を確かめた。この成績については昨年ヨーロッパ医療情報連合 第7回国際会議(昭和62年9月、イタリア、ローマで開催)で発表した。 その成績は、再生不良性貧血2例、症候性貧血4例、溶血性貧血3例、急性出血性貧血3例、白血病8例が正確に診断されなかったが、これはウイントローブ分類により分類されなかったことが判明した。従って、日本人におけるウイントローブ分類に適合しない患者のいることが判明した。一方、鉄欠乏性貧血2例、症候性貧血5例を誤診し、本プログラムの改訂を要する症例と考えて修正を行なった。 本プログラムは極めて高い診断精度を有し、プログラムはほぼ完成に近いと判断したので、マイクロコンピュータ用プログラムへの書き換えを行なった。完全な実用プログラムとするには、なお修正が必要であるが、完成を目指してプログラムのVerston Upを行っている。 生化学検査データ解析プログラムは想像以上に大規模であり、現在ミニコンピュータ上で作成中であるが、完全に数年を要すると考えられる。 また、細菌検査データ解析プログラムの作成を新たに共同研究者が開始したが、完成には同様に数年を必要とすると思われる。
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