1.初年度の研究成果 ミニコンピュータ上で作成していたプログラムのうち、血液検査解析についてのプログラムは完成し、血液病専門家の協力をえて血液疾患患者155例の臨床データを入力して診断制度を確かめた。その結果、再生不良性貧血2例、症候性貧血4例、溶血性貧血3例、急性出血性貧血3例、白血病8例が正確に診断されなかったのは ウインドローブ分類により分類されなかったことが判明した。従って、日本人におけるウインドローブ分類に適合しない患者のいることが判明した。一方、鉄欠乏性貧血2例、症候性貧血5例を誤診し、本プログラムの改訂を要する症例と考えられた。しかし、本プログラムは極めて高い診断精度を有することが判明した。 2.第2年度(最終年度)の研究成果 本プログラムの改訂を行いほぼ納得しうる診断精度を得たので、マイクロコンピュータ用プログラムへの書き換えを行った。完全な実用プログラムとするには、なお修正が必要であるが、完成を目指してプログラムのversion upを行なっている。 3.研究計画の反省点と今後の研究の発展 当初見込んでいた生化学検査解析プログラムは想像以上に大規模であり、現在ミニコンピュータ上で作成中であるが、完成に数年を要すると考えられる。また、細菌検査解析プログラムの作成を新たに共同研究者が開始したが、完成には同様に数年を必要とすると思われる。 以上の理由で当初の計画が過大であり、研究の積み残しを生じた点が反省される。今後、数年をかけて完成し実用に供したい。
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