研究概要 |
実験的高血圧症に伴う肥大心における心肥大誘発液性因子の解析: これまで申請者らは, Page法で作成した実験的高血圧症に伴う肥大心・心筋抽出液(8,000<MW<30,000の分画)中には10日目WKY培養心筋細胞の^3H+uridineの取り込みを増大させる活性のあることを明らかにしてきた. そこでこの因子を詳細に解析するため心筋抽出液をCellulofineカラム(GC-200, 2.5×45cm)を用い, 0.15M PBS(PH7.2)でゲル濾過後, フラクションを分取し, 日立6000シリーズ高速液体クロマトグラムで解析した(カラム;GL-W530, 溶媒液;0.1M NaCl, 流速;0.5ml/min, 検出;UV254mm)その結果, 7〜8個のピークが認められた. 更にそれぞれのピークをGilson203フラクションコレクターを用いて分離後, 再び培養心筋細胞アッセイ系を用いて検討した. その結果, MW11,200の因子が培養心筋細胞の^3H-uridine, ^<14>C-leucineの取り込みを容量依存性に増大させた. またこの因子は56°C, 30分間の熱処理にてもその活性は保持されることも判明した. 引き続きこの因子の生物・化学的特性を解析中である. 心筋細胞膜抗原を認識するモノクローナル抗体の作成: ラット心筋細胞膜成分(約100mg/ml, 0.1ml)及び単離心筋細胞(10^7)を2〜3週間感覚で4回BALB/Cマウス(♀)の腹腔内に免疫役, 脾臓を取り出し, 50%PEGを用いP3/NS1/1-Ag4-1ミエローマ細胞と細胞融合させた. 融合後HAT培地で現在融合細胞を選別中である. 融合率は90%である. 今後融合細胞の培養上清を採取し, ラット心筋細胞膜に対する抗体の有無をFluorescence-activated cell sorter(FACS)にて解析を進める.
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