研究課題/領域番号 |
62580002
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石井 彰三 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40016655)
|
研究分担者 |
福田 昌宏 東京工業大学, 工学部, 助手 (90199240)
堀田 栄喜 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70114890)
|
キーワード | 高密度プラズマ / Zピンチ / 炭素薄膜 / ライナー圧縮 / 軟X線 |
研究概要 |
(1)炭素薄膜形成法の最適化:薄膜ライナーとする放電管内壁の表面への炭素薄膜形成を高周波放電、交流あるいは直流アーク、グロー放電、パルス放電等の各種放電形式について試みた。このうち細い炭素の棒をジュール加熱して行う真空蒸着を用いれば、一様でかつ電気抵抗の低い薄膜ができることが明かとなった。 (2)炭素薄膜ライナー圧縮実験:気相成長させた炭素薄膜を用いた圧縮実験では、ライナーが一様でないため電流は局所的に集中し、円筒上のピンチ現象は起こらなかった。しかも放電後も炭素が残存しており、炭素薄膜の場合は問題点の多いことが判明した。 (3)アルミニウム薄膜ライナーとその圧縮:電気抵抗を低くするには金属薄膜が優れていることから、膜形成が容易なアルミニウムについて検討した。成膜はタングステン・ヒータを用いたアルミ真空蒸着法が確実であり、しかも一様であること、および蒸着源の部分を工夫すれば真空を破らずに連続運転も可能であることを示した。内径7cmのアクリル製放電容器の内壁に電極間幅4cmでつけた薄膜の厚さは10〜数10オングストロームであった。このライナーを容量4.4uFのコンデンサ電源で放電電流70kA程度で駆動した実験により、原理通りの圧縮を実現することができ、本研究の提案が正しいことを示した。プラズマの振る舞いは、軟X線計測、高速度カメラによる観測だけでなく、これまでライナー圧縮実験では行われたことのない磁気プローブによる磁界測定を実施した。 (4)原子過程モデルによるアルミニウムプラズマからの軟X線スペクトルの計算:実験で得た軟X線出力特性を検討するため、平均イオンモデルならびに混成原子モデルにより放射スペクトルを理論計算から求め、現段階では、内殻電子からの放射強度は強くないことを示した。
|