研究概要 |
トカマク核融合炉における熱的不安定性の抑制と定常燃焼実現のためのプラズマの圧縮膨張による制御に関して, 炉心プラズマと制御用コイルおよび他のコイル系(すなわちプラズマ電流誘起のためのポロイダルコイル系, シェルおよび真空容器)との磁気的結合がこの圧縮膨張制御に及ぼす影響を調べた. シェルおよび真空容器は多数のポロイダルコイルの集合と考え, 炉心プラズマのエネルギー平衡および位置平衡の式(シャフラノフの式), ポロイダルコイル系の回路方程式を連立させて安定性の解析を行った. ポロイダルコイル系(シェル等を含む)の影響は安定化に必要な制御ゲインを約2倍にするが圧縮膨張による制御は有効に効くことが示された. 圧縮膨張による燃焼制御をトカマク以外の炉形式であるアドバンス燃料のFRC(逆磁界配位)炉に適用した場合について, D-T燃焼よりD-^3He自己点火燃焼への起動加熱制御を検討した. プラズマの平衡式, エネルギーおよび各イオン毎の密度の平衡式, 磁場を制御する式を用いて, ある初期条件の下にプラズマパラメータの時間発展を求めた. 小さい圧縮膨張を繰り返し熱的不安定性を抑制し, 徐々に外部磁場, プラズマ電流, プラズマ温度を上昇させると共に燃料混合比をD-^3He燃料に漸近させ, D-^3He定常燃焼への移行動特性を得た. この動特性よりプラズマが過剰に伸びるのを抑制するために外部よりプラズマ電流を増大させる手段が不可欠であるがこの制御により核反応生成イオンによる加熱のみでD-^3He自己点火が可能であることが明らかとなった.
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