研究概要 |
綱状結合プロセッサ配列におけるソーティングアルゴリズムの設計と解析を行なった. 昭和62年以前のものと合せ3種類のアルゴリズムを開発している. これらは, 実用的な大きさの範囲ではこれまでのアルゴリズムより計算時間が速く, ハードウェア構成が単純であるため, VLSI等の実現により適している. また, 並列ソーティングにおける基本操作の1つである, 並列バブルソートの計算時間に関する性質を示す関数PCTENTIALを定義し, 並列ソーティングにおける厳密な計算時間の解析を行なった. さらに, 綱状結合プロセッサ配列モデルにおける繰り返し併合法によるソーティングにおける計算時間の下限の解析を行なった. まだ下限と実際のアルゴリズムの計算時間に開きがあることが今後の課題である. 3次元以上に拡張した綱状結合配列におけるソーティングアルゴリズムの開発と解析を行なっている. 各次元に対して, 計算時間が最適なアルゴリズムとその解析を行なった. 現在多次元配列上で要素数N面に対してO(logN)の計算時間のアルゴリズムの作成を試みている. 綱状結合配列における他の問題に対するアルゴリズムの効率のよい実現方法は62年度は開発できなかった. 現在サーチイグ問題を中心に研究を行なっている. アルゴリズムのシストリック配列への適用と, 各種アルゴリズムの計算時間および複雑さの点から比較方法の一基準を作成している. 同時にこの方法は, アルゴリズムのシミュレーションと解析に有効であることがわかったので, 63年度にまとめを行なう予定である.
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