研究概要 |
教育における計算機利用には, 通常のCAIの方向と異なり, 積木や年度のように子供の創造性開発を指向する方向がある. 本研究ではこの見地から, 「子供の自由な活動による創造性や自発性等の能力開発」を目指すプログラム言語系を設計する. 方針は, 手順的な記述だけでなく論理的な記述ができ, それを子供が自由に使えること, LOGO的な利用者親和性をもち, 構文も日本語に近く, 日本の子供の創造性開発に向く環境とすることである. (1)小学校での実地視察などに基づき, 児童のモチベーションの引出し方の一つとして「子供が計算機に教える」という枠組を提起し, 簡単な算数の問題を扱うシステムを実現した. システムは, 子供が計算過程で起こす様々な誤りパターンをモデルとしてもっているが, コースウェア型のCAIとは逆に, 計算機が犯した誤りを子供が指摘する. こうして, 洞察力とともに自発性を養っていく. (2)論理型プログラム言語の特性を十分発揮できるコンパイル方式として, Prologのインクリメンタル・コンパイラの方式設計をし, ワークステーション上でオブジェクトコードの性能を評価した. (3)自動的に世代管理を行なう「可逆メモリ」が提案されている. これを, 論理型言語の主要な動作である単一化とバックトラックの効率化に応用するための基礎研究を行なった. (4)日本語論理型言語の設計は一部完成しており, 現在検討中である. 今後は, 供しや子供達とともに利用する場を旁, 実験を行い, LOGOとの対比などを通じてシステムの評価を行う.
|