高速情報処理システムの開発を大別するとハ-ドウェア処理部とソフトウェア処理部に分かれる。ハ-ドウェアを用いて高速に生体信号を取り込みディスクにデ-タを貯える。この処理の高速化を実現するために、高度の並列処理装置を用いた。ハ-ドロジックで高速処理を実現した。さらに生体信号を採取する際に生体表面に発生する筋肉振動を詳細に検討し、良好なECGとEMGを取り込むセンサの改良を行った。表面に分布する生体信号は時間的に変化するので、それらの処理を並列処理によって行った。これらの情報処理には生体内部の神経回路で行われている超並列処理が有効であるので、ニュ-ロンコンピュ-ティングの新しい方式を提案し、その基礎実験を行った。ニュ-ロン間の結合に電気磁気学的結合が実現性があり有効であることが明らかになった。これをハ-ドウェアで実現するために空間的に電気信号の発生器と受容器を配置して、神経回路のように信号を伝送することを実験的に確認した。さらに、生体信号を取り込む大容量の高速メモリの動作の基礎研究も行った。数十ナ>秒のアクセスタイムを持つ大容量のメモリの動作をシミュレ-ションで確認し、その設計を行った。体表面電位図のデ-タを解析するためのソフトウェアも開発し、ブレ-クスル-に対する医学的な知見も得られたので、これを発表した。体表面電位図を高速に表示するためのソフトウェアとハ-ドウェアの改良を試みた結果、視覚的に満足できる高速表示が可能になった。詳細な表示を行うための高速補間法の開発も行い、通常の補間法よりも数十倍の処理速度を持つアルゴリズムが完成した。生体機能の高速処理性を見本とする高速生体信号処理装置のアルゴリズムを開発し、パタ-ン認識実験を行った結果は良好であるが、生体信号の不規則な変化によって認識結果に影響が出るので、この欠点を改めるソフトウェアとハ-ドウェアの検討を行っている。
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