研究概要 |
病院カルテの一種退院サマリの自動理解処理を目標として研究を行っている. 本年度達成された事柄は以下のようである. 1)資料整理蓄積:371件の手書の退院サマリをワードプロセッサを介して蓄積した. アルバイトの補佐員が医学知識に詳しくないこと, および手書の読みにくさを考慮した予想件数の1.5倍であった. 2)要望調査:医師達が退院サマリの内容に関して具体的にどのような質問を発するかを調査し, 167件の自然言語質問文として収録しディスクに蓄積した. しかし, これでは不十分なので更に対象となる医師を変えて調査する必要がある. 3)資料分析:蓄積された自然言語データ371件(13,802文章)を計算機を利用して構文的に分析し, 約600個の主要な動詞(主にサ変動詞)およびそれらの構造的特徴を抽出した. 更に, 文脈結合の特徴を接続詞(約100個)を中心に調査した. しかし, 意味分析には有効な計算機による補助手段が存在しないため40件(約2000文章)に留どまった. この意味分析の結果, 主要な事物概念範疇30個および属性約70個を抽出した. 4)システム作成:入力文解析部のプロトタイプを作成し, 現在評価を行っている.
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