| 研究概要 |
結晶学は自然の構造の学として、自然科学の中に独自の位置を占めている。しかしそこには様々の固有の概念があって初学者には取りつきにくく、一般の教育面でとかく敬遠される傾向があった。結晶学を判り易くするものは適切な画であり、これまでそのために非常に多くの努力が払われてきた。本研究ではコンピュ-タグラフィックスを用いて研究、教育の現場で容易に使うことのできるソフトウエア-システムを作ることを目的としてきた。従来開発してきた大型コンピュ-タと3次元グラフィックタ-ミナルを用いたCRYSTシステムを整備完成すると共にパ-ソナルコンピュ-タを用いたシステムを新たに開発した。これは次の3種類に大別される。
1.結晶外形の作図プログラム CGR88
2.結晶および分子構造の作図プログラム SCPLT,SMPLT等
3.各種補助プログラム LAUE等
SCPLTはこのシステムの中心になるプログラムで結晶構造の表示と共に、それぞれの空間群の対象操作に対応する等価位置を画面に示し、その番号を入力することによって、対応する位置の色が変わるようになっている。これによって、画面上で結晶の対称操作の意味を学習することができる。標準的な空間群の等価位置はすべてシステム中に蓄えられており、その番号だけで呼び出すことができる。また幾つかの基本的な結晶構造のデ-タはプログラムに組み込まれていて随時呼び出して表示することで、結晶学の教育に役立てることができる。
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