研究概要 |
本科学研究費補助金による研究目的は, シリコン・ウェーハー中の微小欠陥をトポグラフ的に検出するX線散乱ラジオグラフィ装置の試作と, それによる材料研究である. そこで今年は, 以下のような仕事をして, 所期の成果が得られたので, 具体的に述べる. (1)X・Y試料走査装置の製作を完了した. 1ステップ2.1μmの高精度を実現した. マイクロコンピュータによる画像データの記録を行う. (2)検出系として, 半導体検出器(SSD:pure Ge)によるエネルギースペクトルの分析を行う装置部分の試作が完了した. 但し, SSDの納入が遅くなって(これは科研費以外の研究費), 全システムの装置製作は, 実際の予定より数ヶ月遅れ, 2月になってしまった. MCA(科研費による)は予定のとおり納入組立を完了. (3)マイクロコンピュータを動かすMS-FORTRANのプログラム作製が思いのほか時間を要したが, スペクトルのピータ位置を記録するモデルプログラムを作り上げることができた. (4)これらの装置によるシリコンの実測を間もなく始める. (5)放射光を使うトポグラフィに関しては, 3結晶法を用いた超平面波(0.01秒)のトポグラフィによる薄い(消裏距離のオーダー)シリコン中の微小欠陥の検出に成功した. 以上のとおり, 本年度の研究実施計画がほぼ達されたので, いよいよ次は散漫散乱のSSDによる検出に着手できる段階となった.
|