固体粒子よごれを角度型ロータを用いて遠心力洗浄を行った場合、一定の遠心力を加えても、水平分力と垂直分力の寄与の相違によって、粒子除去率が異なり、水平分力の寄与が大きいほど粒子が除去されやすいこと、すなわち、ロータ角度が小さいほど、水平分力の寄与が大きいので、粒子除去率が大きくなる。このことに関して、昨年度は61年度に行つたロータ角度の範囲を拡げ、0〜60°および180〜240°とし、ポリスチレンラテックス粒子ーガラス基質の系について実験したところ、両者ともにロータ角度が大きくなると、除去率が低下する傾向がみとめられた。この場合、ローター角度0〜60°では、粒子付着面は遠心力方向をむいているが、180〜240°では反対に回転軸方向をむき、垂直分力によって粒子は基質面におしつけられる。両者とも、ロータ角度が増すとともに、除去率は直線的に低下するが、同じ遠心力を加えても、前者の方が、後者より除去率が高くなった。本年度は基質を変え、セルロース、アセテート、ポリエステルフィルムの系について昨年と同様の実験を行ったところ、右図のように昨年度と同じ傾向が認められた。 また、当初の研究に予定していた粒子数計測を画像解析装置を用いて効率化する部分の研究は、研究費査定段階で削減された。幸いにして放送大学の研究費により、昨年度末に画像解析システム(ビデオアナライザーVPT-750、KKレスカ)が購入されたので、粒子数測定の基本的事項を計測して、最終的には顕微鏡写真の引き伸し画像による粒子数測定に利用する詳細な検討を試み、十分実用にたえることを明らかにした(測定範囲0.5〜7.0mm)。
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