研究概要 |
昭和62年度に於ける本研究計画は, 健常者の日常食中の一般成分およびビタミン類の定量分析と, 献立にもとづく各種栄養量のコンピューター解析とを実施し, 実供食栄養量の実態を検討することであった. 学内の集団給食施設で調整された食餌(青年女子19才の日常食1食分, 12検体)を試料とし実験を行った結果, 以下の示す2,3の知見が得られた. 1 ボンブカロリーメーターによって実測されたエネルギー量は, 平均値で794.1±205.1kcal1食となり, 四訂食品成分表による計算値とほぼ近似していた. 2 ビタミンB_1, B_2摂取量の計算値に対する実測値の割合は40〜60%で, これらビタミン類の所要量に対する摂取比率の低いことが観察された. 3 炎光分光分析法によって実測されたNa量は516.0〜1,778.1mg/食, 平均値1,126.6mg/食となり, 食塩量に換算すると約2.9g/食で計算値よりも低値であった. 食事内容によって多少変動するものの, 食塩換算値およびNa/k比ともに適性範囲内であった. なお, 昭和62年度の第2次科学研究費補助金によって購入した機器(高感度分光蛍光検出器 RF-535, 島津製作所製)を用いての研究は, 現在のところ予備実験を実施中である.
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