研究課題/領域番号 |
62580089
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 栄太郎 京都大学, 教養部, 助教授 (00026808)
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研究分担者 |
森谷 敏夫 京都大学, 教養部, 助教授 (90175638)
田口 貞善 京都大学, 教養部, 助教授 (90086819)
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キーワード | 老化 / 中高年者 / 女子 / 体力年齢 / 生物学的年齢 / 主成分分析 |
研究概要 |
本年度は主として、1)主成分モデルを用いて推定された老化の指標としての防衛体力年齢(いわゆる生物学的年齢)の妥当性の検討、2)体力年齢と生物学的年齢の関連、について研究を行った。 1)については、大阪府及び京都府下に在住する成人女性83名を対象として、呼吸循環機能、体力、形態、身体組成、血液及び種々の生理機能を代表する34項目について検査・測定を実施した。そして測定値間の相関マトリックスに因子分析とクラスタ-分析を適用した結果、及び経年変化を参考として11項目予測変量を選び出した。これらの結果に、本研究によって開発された老化の程度を測るための統計モデル、いわゆる主成分モデルを適用して、中高年女子の生物学的年齢の推定式を作成した。この推定式に冠状動脈硬化性心疾患(CHD)の危険因子のうち4つ以上を保有する危険因子群(15名)のデ-タを当てはめ、生物学的年齢を求めたところ、暦年令54.6±9.9歳に比べて生物学的年令61.4±7.2歳と約7歳老いていることが明らかとなった。このことは、本研究で工夫された生物学的年齢の推定式が、単に老化度の評価に役立つだけではなく、CHD疾患の判別にも役立つということを示唆する。 2)については、滋賀県下に在住する成人女性65名を対象として、生物学的年齢の推定式を作成する上で必要と考えられる呼吸循環機能、血液及び種々の生理機能について、又体力年齢の推定式を作成する上で必要と考えられる身体作業能テストを含む体力診断テストについて検査・測定を実施した。そして、主成分モデルを用いて生物学的年齢及び体力年齢の推定式を、それぞれ作成した。全標本について求められた生物学的年齢と体力年齢の相関は0.70(P<0.01)であった。従って、体力の高い水準にある人は、一般的に生物学的に良好な状態にあると言える。
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