1.本年度の研究目的 地域スポーツ参加者及び指導者のスポーツ価値意識のパターンを明らかにし、それに関連する要因を分析することが目的である。 2.調査の概要 (1)調査対象 四国四県各1市町村の地域スポーツ参加者及び各県体育指導員とスポーツ少年団指導者 (2)調査期間 昭和63年7月から11月 (3)調査方法 集合法及び郵送法によるアンケート調査 (4)調査票配布数3332、回収数2328、回収率69.9% 3.スポーツ価値意識の分析 スポーツ価値意識を、スポーツへの取り組み方を示す禁欲志向と即時志向、スポーツの意義づけ方を示す遊戯志向と世俗志向、という2つの軸でとらえ分析した。その結果、スポーツへの取り組み方については、参加者は禁欲志向27%、即時志向73%であり、即時志向が強くなっている。一方指導者は禁欲志向52%、即時志向48%であり、2つの価値観が均衡した状態となっている。この価値の選択にあたっては、参加者の側では厳格指導主義、自由主義、気晴し志向、年令などが関連し、指導者の側では鍛練主義、厳格指導主義、自由主義、気晴し志向、指導種目などの要因が関連することが明らかとなった。またスポーツの意義づけ方については、参加者は遊戯志向39%、世俗志向61%、指導者は遊戯志向32%、世俗志向68%であり、両者とも世俗志向が強くなっている。そして、この価値の選択にあたっては、参加者の側では試合レベル、精神主義、修養主義などが関連し、指導者の側では修養主義、報酬意識、職業、指導種目などの要因が関連していることが明らかとなった。
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