1.研究目的.方法 本研究の目的は、一流競技選手とその指導者、地域スポ-ツ参加者とその指導者にみられるスポ-ツ価値意識のパタ-ンとそれに関連する要因を分析することである。この目的にそって上記対象者にアンケ-ト調査を行い、3.393名から回答を得た(回収率67.3%)。 2.結果の概要 スポ-ツ価値意識は次の4つのパタ-ンに分化している。(1)スポ-ツを気軽に楽しみながらもその中で社会生活に役立つものを獲得しようとする「レクリエ-ション型」が29.7%、(2)卓越性の追求を目指して厳しい鍛錬を行い、その過程で社会生活に役立つものを獲得しようとする「風俗内禁欲型」が29.2%、(3)卓越性の追求それ自体を目的とし、そのために厳しい鍛錬を行おうとする「アゴン型」が27.1%、(4)気軽にスポ-ツそれ自体を楽しもうとする「レジャ-型」が14.0%である。「レクレ-ション型」に関連する要因は、自由主義や精神主義、全力主義の肯定、鍛錬主義や継続主義の否定、やりがいの弱さ、愛志向、市町村レベルの大会参加、35-39歳、45-49歳である。「風俗内禁欲型」に関連する要因は、鍛錬主義や継続主義、精神主義、全力主義、修養主義の肯定、自由主義の否定、やりがいの強さ、正志向、国際レベルの大会参加、60歳以上である。「アゴン型」に関連する要因は、鍛錬主義や継続主義の肯定、自由主義や精神主義、全力主義、修養主義の否定、やりがいの強さ、利志向、国際・全国レベルの大会参加、29歳以下である。「レジャ-型」に関連する要因は、自由主義の肯定、鍛錬主義や継続主義、精神主義、修養主義の否定、やりがいの弱さ、快志向、市町村レベルの大会参加である。
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