研究概要 |
本研究の目的は、Weight Training(WT)の生体に及ぼす影響を生理・生化学的立場から明らかにし、体力の向上に最も有効なWTの処方を検討することである。本年度は、次の異なる2種類のWTプログラムについてトレ-ニング実験を行った。;(1)フリ-ウェイトを用いたConstant resistanceWTによるSuper Circuit WT(CR)、(2)マシ-ンを用いたVariable resictance WTによるSuper Circuit WT(VR)。尚、各々のcircuit statiorの間の休息の代りに自転車こぎ、なわとび、その場かけ足、踏み台昇降を採り入れた。被験者として、健康な20歳以上の男子16名を用いた。彼らをCR,VRの2つのグル-プにランダムに分けた。トレ-ニングの頻度は隔日に3日/週、期間は8週間、時間は60分とした。トレ-ニングの前・後に最大酸素摂取量(トレッドミル)、筋力・筋持久力、パワ-、柔軟性、身体組織、血液成分を測定し、用いる機器の違いについて比較検討した。トレ-ニングの結果、最大酸素摂取量はCR群は8.8%、VR群が10.2%とともに統計的に有意な増加を示した。レッグプレスによる脚筋力は、CR、VR両群ともに21%の向上を示した。脚パワ-は、CR群で3.5%、VR群で8.7%とともに増大を示したが、VR群のみが統計的に有意な向上を示した。また、除脂肪体重については、CR群が1.7kg、VR群が2.1kgとともに有意な増加が得られた。血液中の脂質は、トレ-ニング後減少する傾向を示したが、いずれもその変化は正常値の範囲内であった。これら測定項目のいずれもグル-プ間に差は見られなかった。これらのことから、本研究で用いた2種類のトレ-ニング方法は、総合的な全身のコンディショニングに有効な方法である、ということが明らかにされた。
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