研究課題/領域番号 |
62580105
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 国立栄養研究所 |
研究代表者 |
樋口 満 国立栄養研究所, 健康増進部, 室長 (20192289)
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研究分担者 |
岩岡 研典 国立栄養研究所, 健康増進部, 研究補助員 (50223368)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 老化促進モデルマウス / 運動トレーニング / 骨格筋 / ミトコンドリア / クエン酸合成酵素 / 3ーヒドロキシアシルC_oA脱水素酵素、スーパーオキシドデスムターゼ |
研究概要 |
持久性トレーニングによる骨格筋の生化学的適応が、異なる加齢段階において、同じように起こるかどうかを明らかにするために、一般のマウスに比べて急速に老化現象を示することから、老化研究のモデル動物として有用な老化促進モデルマウス(SAM)を用いて脚筋のミトコンドリア内に局在し、有酸素性エネルギー代謝に関連する諸酵素、及び多量の体内への酸素摂取に伴って上昇する活性酸素を除去する働きを有するスーパーオキシドデスムターゼ(SOD)の持久性トレーニングによる適応用応答について研究を行った。初年度にはP/2系SAMマウスは老化が早く、生存率低下も通常の老化を示すR系SAMに比べて著しく早いので、12カ月齢以後では筋のミトコンドリア諸酵素活性を顕著に増加させるような激しい持久性トレーニングを行わせることが困難であることが明らかになった。そこで、最終年度においては、6カ月齢と10カ月齢のP/2系、R系SAMによる8週間のトレーニングを実施した。トレーニングはマウス用トレッドミルを用い、斜度15%で、速度と運動時間を週毎に増加し、第3週以降は21.4m/分で60分間の負荷で行った。8週間のトレーニング後、非運動対照群のマウスと共にと殺し、大腿四頭筋を採取し、ミトコンドリア内酵素であるクエン酸合成酵素(CS)、3ーヒドロキシアシルC_oA脱水素酵素(HAD)の活性を測定したところ、P/2系、R系いずれの加齢段階においても両酵素とも運動群が対照群に比べてそれぞれ30〜40%、20〜30%高い値であった。SODについては、総SODのトレーニングによる上昇はわずかであり、ミトコンドリア局在のSOD活性は運動群が非運動群よりも20〜30%高かった。しかし、細胞質SOD活性は持久性トレーニングによる影響を受けなかった。以上の結果から、たとえ高齢であっても激しい持久性運動を規則的に行うことが可能であれば、筋の生化学的適応は十分起こりうることが示唆された。
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