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1987 年度 実績報告書

ヒト血漿インターαトリプシンインヒビターの生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62580106
研究機関北海道大学

研究代表者

長沢 滋治  北海道大学, 薬学部, 助教授 (70029958)

研究分担者 高橋 和彦  北海道大学, 薬学部, 助手 (10113581)
キーワードインターαトリプシンインヒビター / トリプシン / プロテアーゼ阻害物質 / 血漿蛋白質
研究概要

インターαトリプシンインヒビター(ITI)は7種類のヒト血漿セリンプロテアーゼインヒビターのうちで最も研究のおくれているインヒビターである.
本研究では, i)阻害機構, ii)自発的な切断反応, iii)生合成の3点についての研究を進める計画をしている. 本年度の研究成果を以下に記す.
1)阻害機構;分子量20万のITIをトリプシンに作用させると, トリプシン活性が阻害される. この反応液をSDS-ゲル泳動にかけたところ, ITI・トリプシン複合体は検出されず, 逆にITIが数多くの低分子フラグメントに切断されていた. これは, トリプシンとITIとの複合体は解離しやすい非共有結合を介する複合体であり, ITIは解離したトリプシンによって速かに切断をうけることを示唆している. ITIにエラスターゼを作用させると, ITIが速かに分解をうけ, 分子量3万の活性フラグメントが生成した. このフラグメントのN末端一次構造分析ならびにアミノ酸分析から, これがITIのN末端から由来したフラグメントであることを決定した. 興味深いことに, このフラグメントはトリプシンと1:1の共有結合性複合体を形成した.
2)自発的な切断反応;ITIは精製途中で自発的な切断反応が生り, 13万と6万のフラグメントになる. この2フラグメントを分離し, 13万フラグメントがITIのN末端側から由来することを明らかにした. 13万フラグメントはさらに6万, 3万, 2万のフラグメントへと分解することも分った. この切断反応の機構は興味深いもので, さらに検討を進める予定である.
3)生合成;培養肝細胞(HepG2)はITIを産生する. この産物をSDS-ゲル泳動と酵素免疫測定法とによって分析したところ, 分子量25万のITIであることが分った. これは, 血漿ITIよりも分子量5万も大きく, この高分子型ITIと血漿型ITIの関連性も次年度の課題である.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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