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1987 年度 実績報告書

哺乳類腎臓レクチンの構造と機能に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62580113
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

松本 勲武  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70012664)

キーワード腎臓 / レクチン / リン脂質 / フェツイン / ヘパリン / 疑集素
研究概要

腎レクチンの活性測定法, 精製法, 性質および種類について新しい知見を得た. (1)従来凝集活性測定には未処理ウサギ赤血球を用いていたが, トリプシン処理したウサギ赤血球が感度および再現性の点でよりすぐれていることが明らかとなった. これまではレクチン標品中に混在する腎臓由来のランパク分解酵素が作用する度合にらり異なる凝集活性が測定されていたものと考えられる. (2)精製法の改良:腎臓の脱脂に関しては, アセトンよりもエタノールのほうが有効であることがわかった. 予備実験で有効性が示されたフェニルーアガロースを用いる疎水クロマトグラフィーや, DEAE-セルロースを用いるイオン交換クロマトグラフ, 一では, 腎レクチンがカラムにきわめて強固に吸着してしまい, 強い条件で溶出すると活性の回収率がきわめて低くなるということが明らかとなった. そこで他の方法を検討した結果, フェニル基よりも疎水度の低いC2アルキル基を疎水リガンドとしてもつカラムによる疎水クロマトグラフィーが有望であることが判明した. 83)レクチン粗抽出液中には, すくなくとも3種類の血球凝集素が存在することが明らかとなった. 以前に報告した65kDaのサブユニットをもつタンパク質のほかにそれよりもヘパリンに対する親和性の高い, より低分子量(30〜40kDa)のサブユニットをもつタンパク質のほかに, クロロホルムメタノールを加えて分配するとクロロホルム層に抽出されるリン脂質(ホスファチジルエタノールアミンやホスファチジルセリン)も血球凝集活性をもつことが見い出された. さらに65kDaサブユニットをもつレクチンタンパク質にこれらのリン脂質を結合させると, シアロ糖タンパク質であるフェツインに対して強く結合できるようになる. すなわち, 腎レクチンの一つはタンパクー脂質複合体であることが明らかにされた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松本勲武, 瀬野信子: 細胞工学(Cell Technology). 6. 216-221 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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