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1988 年度 実績報告書

抗体を用いたホスファチジルイノレトール2リン酸の定量的動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 62580128
研究機関早稲田大学

研究代表者

吉岡 亨  早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70046027)

キーワード抗PIP_2抗体 / IP_3 / PIP_2
研究概要

本年度の目標は、ホスファチジルイノレトール2リン酸(PIP_2)のモノクローン抗体を作成して
(1)イノレトール3リン酸(IP_3)のラジオイムノアッセイ(RIA)を行う。
(2)上記抗PIP_2モノクローン抗体のサブクラスを単離、精製し、PIP_2の加水分解に関与する情報伝達系の解析を定量的に行う。の2点であった。結論から述べれば、上記2つの目的は一応達成されたが幾つかの問題点を残した。
先ずこの抗体は、首尾よくIP_3を高い効率で認識することには成功し、IP_2やIP_1と区別も出来た。しかし思いもよらないことではあったが、この抗体はATPやフルクトース2リン酸など、リン酸基を3つもつものに対しては全て交差反応した。従って細胞質内のIP_3の定量を行うには、これらリン酸基を3つ含む活性物質を予め除却しなくてはならないことが判明した。これではIP_3用RIAとしては失格である。結局この抗体の用途は、生体膜内PIP_2の定量のみとなった。
そこで第2のステップとして、この抗体を精製し、サブクラスを同定した所I_gG_3であることが判った。これで生体膜内PIP_2の定量は免疫組織化学的手法をそのまま、何等変更なしに用いることが出来た。この抗体を用いて、ニワトリ網膜、同小脳、マウス小脳、海馬などの切片を染色し、発生の段階を追ってPIP_2存在量の解析を行なった。現在も尚データは集積途中であり、細胞機能とPIP_2量との関連を正確に立証するには到っていない。この解析は本科研費終了後も引き続き行われる予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Das,N.D,;Yoshioka,T.,;Shichi,H.: J.PINEAL Reserch. 6. 9-16 (1989)

  • [文献書誌] Suzuki,N.;Yoshioka,T.;OKANO,Y,.;Nozawa,Y.;Kano,M.: Blochem.Biophys.Tes.Commun.158. 534-540 (1989)

  • [文献書誌] Inoue,H,;Yoshioka,T.;Hotta,Y: J.Bioe.Chem.(1989)

  • [文献書誌] Yanagisawa,K.,;Horikoshi,T.;Yoshioka,T.;Sokabe,M.: Prog.in Brain Res.74. 313-317 (1988)

  • [文献書誌] Miyazaqa,A.Umeda,M.;Horikoshi,;T.,Yanagisawa,;K.Yoshioka,T.,;Inoue,K.: Mol.Immunol.25. 1025-1031 (1988)

  • [文献書誌] Yoshioka,T.;Suzuki,H.: "Biosignal Transduction Mechanism" Springer-Verlag, 3-14 (1989)

  • [文献書誌] Yoshioka,T.;Inoue,H.;Das,N.D.;Shichi,H.: "Inositol Lipids in Cell Signaling" Academis Dress, 337-354 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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