我々は既にDrosophilaのアセチルコリン合成酵素部分cDNA. (翻訳配列:2.2Kbp、3'非翻訳配列:0.3Kbp) を単離していたが、Northern analysisから本酵素mRNAのサイズは約4.7Kbと推定され、また、単離されたcDNAには開始コドンが見出されなかった。従って、full-length cDNAを単離する目的で、部分cDNAをプローブしとして、Drosophila頭部cDNAライブラリーをスクリーニングし、5つのクローンを得た。そのうち、最長のサイズのcDNAについて塩基配列を決定したところ、このcDNAはポリ (A) 構造を含む完全な3'非翻訳配列 (1.4Kbp) が明らかになったが、翻訳配列については、先に単離したcDNAとほとんど一であり、開始コドンは見出されなかった。さらに、5'端末側の構造を明らかにする目的で、再スクリーニングする予定である。 抗アセチルコリン合成酵素単クローン抗体はDrosophilaの神経組織に特異的に結合することが示されている。Drosophila頭部の全ホモジネートをWestern analysisしたところ、この単クローン抗体はアセチルコリン合成酵素以外にも約150Kダルトンのタンパク質にも強く結合することが明らかになった。この150Kダルトンのタンパク質も神経組織特異的タンパク質と期待され、その実体を明らかにする目的で、この150Kのタンパク質をコードしていると期待されるcDNAを単離し、その構造を明らかにした。
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