研究概要 |
研究は, 2つの柱に沿って行われた. 一つの柱は, 細胞分裂に関する概日リズムの自動測定系の開発である. 培養に用いる光の影響をどのように除くかという点が今後の課題として残された. 細胞分裂リズムの同調性を改善すべく, いろいろな試みを行ったが, 試みた範囲内で改善は不可能と判断された. したがって, 細胞分裂のリズムを研究していくうえでテトラヒメナに固執するのは最良の策とはいえず, 別の材料に転換する必要があろう. そこで材料を鞭毛虫のユーグレナEuglena gracilisに切換えたところ, すぐれた同調性をみた. もう一つの柱は, NAD_+類の概日リズムの測定である. いろいろな抽出法を検討した結果, ポリトロトン型のホモジナイザーを用いる場合には, 0.1N HCl+50%エタノールで酸化型のピリジンヌクレオチド, 0.1N NaOH+50%エタノールで還元型のピリジンヌクレオチドを抽出するのが最良であった. この方法に則って, ユーグレナから3h毎にピリジンヌクレオチドを抽出し, 液体N2中に保存した. この試料を用いて, 今後, NAD+_+類概日リズムの存在の有無を確認する予定である.
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