研究課題/領域番号 |
62580143
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野口 正人 東北大学, 医学部, 講師 (10124611)
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研究分担者 |
志賀 清人 東北大学, 医学部, 助手 (10187338)
高沢 伸 東北大学, 医学部, 助手 (50187944)
江戸 清人 東北大学, 医学部, 助教授 (40125505)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | α-アミド化酵素 / α-アミド化ペプチドホルモン / VIP / 至適PH |
研究概要 |
多くの生理活性ペプチドはC末端にアミド基を有し、そのアミド構造が、生理活性の発現に重要な役割を果している。これらのペプチドのC末アミド化反応に与る酵素(α-amide化酵素)が、1982年ブタ脳下垂体に発見されて以来、本酵素はその生理的重要性と反応機構に対する関心から広く注目を集めて来た。本研究は、α-アミド化酵素をラットから精製し、その性質と反応機構を明らかにすることによって、生理活性ペプチドの成熟過程についての理解を深めることを意図して始められた。そのために、まづ盛んにアミド化ペプチドを合成しているラット脳下垂体、脳及び小腸のアミド化活性を検討した結果、比活性に差はあるものの、いづれの臓器にも、C末にGly残基をもつペプチドをアミド化する活性がみとめられ、しかもcofactor(Cu^<2+>、アスコルビン酸)に対する要求性、基質に対するKm値などが極めて類似していることから、同様の酵素が機能しているものと考えられた。しかし、そのpH依存曲線を存細に検討してみると、中性(pH7)とアルカリ性(pH8.5)の2点に至適pHピークが認められた。両至適pHの関係を明らかにしておくことは、精製に着手する上で重要であると考え、ラット脳酵素についてこれを検討した結果、分子量36,000の蛋白がpH8.5に至適PHをもつアミド化酵素(pH8.5酵素)であること、このものに、それ自身ではほとんど活性のない分子量41,000の蛋白を加えると、中性pHにおける活性が招来されることを知った。ショ糖密度勾配遠心方によって、量蛋白とも分泌顆粒内に局在していることが知られた。アミド化反応の場である分泌顆粒内は、pH5.5-6に保たれている。従って、両蛋白の協同作用によって、アミド化反応が効率よく進行している可能性が示唆された。アミド化酵素の至適pHには、なお議論のある所であり、我々の見い出した事実は、この問題の解決に手がかりを与えるものと思われる。
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