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1988 年度 実績報告書

アデニレートキナーゼのミトコンドリアへの局在化機構

研究課題

研究課題/領域番号 62580152
研究機関山口大学

研究代表者

岸 文雄  山口大学, 医学部附属病院, 助手 (40153077)

キーワードアデニレートキナーゼ / ミトコンドリア / アイソザイム / 分子進化 / 膜結合性
研究概要

アデニレートキナーゼの細胞質型とミトコンドリア型の2種類のアイソザイムについては、当研究室ではすでにそれぞれのCDNAのみならず染色体遺伝子の構造も決定した。その結果、ヒトとニワトリの細胞質型酵素(AK1)遺伝子はいずれも7個のエクソンに分断されているが、イントロンの位置は動物種にかかわらず同じであることがわかった。
一方、ミトコンドリア型酵素(AK2)には、AK2A、AK2Bの2種類のアイソザイムが存在することが、昨年までの研究によって明らかになっているが、今回これらはいずれも同一遺伝子からaltemative splicingによって生じるものであることがわかった。
ニワトリAK1のアミノ酸配列をウシAK2Aのものと比べると、41%のホモロジーがある。エクソン-イントロン構成を考慮に入れつつ、AK1とAK2Aのdot matrixプロットを行うと、AK1はAK2と全領域にわたってアミノ酸配列が類似しているものの、エクソン5と6の間に約30残基のギャップが存在することがわかった。そして、この部分はAK2遺伝子上では1つのエクソンに相当する。AK2は酵母や大腸菌のアデニレートキナーゼと極めて近縁であることを考えると、進化の過程でAK1遺伝子はAK2遺伝子からエクソンを1つ失って生じたという可能性が高い。
以上の事室から、本来膜結合性を保持していたAK2が、生物の系統発生に伴う臓器、器官、組織の文化に対応して分子進化を遂げ、例えば筋組織における運動等の特殊機能を有効に遂行するのに都合がよいように、膜結合性を失ない細胞質に局在するにいたったと推察することができる。即ち、AK2の分子中央部にミトコンドリア局在に関する重要な情報が存在するという可能性を、本研究は示唆するものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshinori Suminami: Journal of Biochemistry. 103. 611-617 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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