本年度はこれまでの成果を纏める作業に重きをおいて、京都大学原子エネルギー研究所テクニカルレポートの作成や学術誌への投稿(日本原子力学会誌)に集中した。これらはいずれも本年度内に発刊されている。一方、ハードウェアの製作では、前年度に製作したメモリーユニットの多層基板の回路修正を継続して行ない、更にプロセシングユニットの多層基板化の設計と製作に着手した。また、インタフェーシングユニットについても一部回路修正を行なった上で、プリント基板の追加製作を行なっている。なお、本年度途中で、ホストコンピュータが従来のFACOM Mー340RからFACOM Mー730M8に契約変更され、リプレースされた結果(この計算機は本研究所の共同利用計算機として運用されている)、CXー1と新しいホストコンピュータとはIOチャネル等の制約によりこれまで作成のホストーCXー1間の通信用ソフトウェア等に大幅な変更を要ることが判明したため、今後は使用上の便宜を考えて、パソコンないしエンジニアリングワークステーションを並列計算機CXー1のホストコンピュータに変更する方向で検討を行なっている。また、今後のCXー1による並列方式シミュレーションの適用課題としては、方向を転換して、人間の認知情報処理機構のコンピュータモデリングへの発展をはかりたいと考えている。
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