研究課題/領域番号 |
62580185
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
堀内 則量 武蔵工業大学, 原子力研究所, 助教授 (90139410)
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研究分担者 |
小林 佳世子 武蔵工業大学, 原子力研究所, 技師補
飯島 伸一 武蔵工業大学, 工学部, 助手 (50097169)
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キーワード | ^6Li入りガラス / フォトダイオード / 強度変調法 / シンチレータ / 中性子検出器 / Liガラスの自己吸収 / バックグランド成分の抑制 |
研究概要 |
8個の^6Li入りガラス(以下、Liガラスという)とフォトダイオードを組み合わせた検出器を作り、強度変調法という統計的手法によって検出器出力に含まれるγ線や電気ノイズによるバックグランド成分を取り除き、中性子による信号成分だけを測定するのが、この研究のねらいである。中性子と反応して生ずる光を受けた、各フォトダイオードの出力を相対的に正弦波関数上にのせるため、Liガラスの厚み、Liガラス中の^6Li濃度を変えてα線をLiガラスに入射させて光の吸収の程度を調べ、また実際に中性子を照射して^6Li濃度、中性子線量に対するフォトダイオードの出力のスペクトル構造の観察・解析を行った。今回の実験によって、フォトダイオードに直接入射する放射線によるバックグランド信号の大きなことがわかり、バックグランド成分の制御方法として、本研究における強度変調法による測定手法が有効であることを再確認した。なお、これとは別に一つのシンチレータ内での発光を互いに垂直となる2方向のフォトダイオードでとらえて、同時計数する方法も有望であることもわかり、目下検討中である。更に、実際に中性子を照射・測定してみて、中性子によるLiガラスの発光量やLiガラスの光の自己吸収等がLiガラスの形状と関係があって、当初考えていたように^6Li濃度だけを考慮し、これを正弦波関数になるように選んで検出器を作っても、歪みの少ない検出器(フォトダイオード)出力の変調は得られないことがわかった。むしろ、^6Li濃度の高いLiガラスを選んで、その厚みの調節から正弦波関数にのる8個の検出器を設計すべきであるとの結論に達した。これらの知見に基づいて、新たに検出器(Liガラス)の製造を計画しており、今後も本研究を進めていく予定である。詳細は、科学研究費補助金成果報告書(別添)を参照されたい。
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