研究課題/領域番号 |
62580190
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
成田 孝三 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (10047037)
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研究分担者 |
大場 茂明 大阪市立大学, 文学部, 助手 (10185366)
石川 義孝 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (30115787)
生田 真人 大阪市立大学, 経済研究所, 助教授 (40137021)
田口 芳明 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (80047000)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 都市圏の多核化 / 郊外の自立化 / 都市圏の平準化 / ニューヨーク都市圏 / ロンドン都市圏 / ケルン・デュッセルドルフ都市圏 / クアラルンプール都市圏 / 日本の3大都市圏 |
研究概要 |
1 世界の大都市圏に共通する構造変化は、郊外部分の比重の増大とその多核化であるとの視点から、欧・米・日・アジアの5カ国7都市圏を分析し評価した。望ましい核を表現するキーワードは、機能の複合性によって支えられる自立性と、住民の社会的複合化によって保たれる平準性である。 2 構造分析の対象となる大都市圏域がいかに設定されてきたかについてサーベイした。通勤流動を共通尺度とする圏域設定が望ましいといえるが、資料的制約から不可能なため、当研究では地域計画上の圏域を用いた。それらは通勤流動にも配慮しているので、広がりにおいてかなりの類似性をもつ。 3 7都市圏について得られた知見は以下のとおりである。(1)郊外化が最も進んだニューヨーク圏では郊外の自立化も一番進んでいるが、地区間の住民格差が極めて大きい。(2)計画的ニュータウン建設の歴史を誇るロンドン圏では、ニューヨーク圏に次いで郊外が自立化し、かつ住民の分極化も強くはない。(3)英米に比して郊外化のおくれていたケルン・デュッセルドルフ圏でも徐々に郊外化が進展しており、中心都市で高く郊外で低かった所得格差は解消に向かっているが、中心部の勢力が依然強く、郊外の自立化は不十分である。(4)途上国としては人口圧の小さいクアラリンフール圏の郊外化は内発的であるよりも、人種政策がらみのニュータウン建設によって促進されている。したがって一定度の自立性が認められるものの、人種的分極化が強い。(5)日本の3大都市圏では、郊外の自立化水準はニューヨーク、ロンドンの2圏に比べて低いが、住民の所得水準はより平準化しており、どちらかといえば中心部で高く郊外で低いといった英米圏とは逆の傾向をもつ。 4 東京圏と大阪圏での自立的核形成の方策を探るために事例研究を行ない、価格、スペース、アメニティで利点をもち、個性的魅力のあるオフィスの供給が必要なことを認識した。
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