研究概要 |
ヒトEGFレセプター遺伝子のプロモーター領域にはピリミジンclusterとSp1因子結合配列が重複ならびに隣接して存在しています. このプロモーターをCAT遺伝子の上流にもつプラズミドpERCAT1をもちいて, ビリミジンclusterに特異的に結合するモノクローナル抗DNA抗体(5H4)とSp1因子がプロモーター活性にどのように影響するかをCAT遺伝子の発現とpromoter extension法による転写反応により調べました. 5H4抗体のFab分画をpERCAT1に結合させた後でin vitro転写反応を行うとSp1因子を添加しても, 転写促進効果は認められませんでした. 5H4が結合したため, Sp1因子が鋳型DNAに結合できなくなったのか, あるいはSp1因子は結合しているが転写促進因子として機能していないのか現在検討中です. Sp1結合配列が線状DNA内にあっても, 超らせん閉環状DNA内にあっても, Sp1因子は同程度結合しますが, 超らせん閉環状DNAの転写をより強く促進しました. この結果はDNA結合蛋白質の機能発現に鋳型NDAの高次構造が重要な役割をもっていることを示唆していると思われます.
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