試作した近赤外発光測定装置をさらに改良した。 1.光学セルからの発光を集光する方法として、光ファイバ-を用いる方法を検討した。しかし、セルから直接受光する方が感度が良いことが明らかとなった。 2.微弱発光のデ-タをマイクロコンピュ-タに取り込み、デ-タを処理する方法を検討した。 3.本装置の増幅回路を再検討した。 白血球からの発光を測定するにあたり、以下の点について検討した。 4.通常、白血球の活性化は37℃で行われているが、可溶性の膜刺激剤である脂肪酸(ミリスチン酸など)を用いると、25℃(室温)でも十分白血球を活性化することができ、試料側からの黒体輻射の影響を低減することができた。 5.重水(D_2O)中では、励起一重項酸素の励起寿命が伸びることが知られている。モデル系や酵素系において、一重項酵素の生成を検出するために、重水中で測定が行われている場合が多い。そこで、重水の白血球に及ぼす影響を検討した。重水中に白血球を懸濁すると、刺激剤を加えなくても、NADPHオキシダ-ゼが活性化され、酸素消費、O_2生成が起こることが明かとなった。したがって、白血球の活性化に伴う一重項酸素生成の有無を検討する際に、重水を含んだ系を用いるのは注意が必要である。
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