近赤外発光測定装置を試作した。 1.近赤外光を高感度で検出するための素子として、液体窒素冷却型のGeフォトダイオ-ドが適していることが判明した。 2.近赤外光を分光する方法として、W型の全誘電体干渉フィルタ-が透過性・単色性に優れていることが明らかとなった。使用したフィルタ-の最大透過率は76%、半値幅は21nmであった。 3.光電流ー電圧変換回路、増幅回路を検討した。 4.デ-タをマイクロコンピュ-タに取り込み、S/N比向上のための、積算による平均化の方法と、フ-リェ変換を用いた周波数領域平滑化の方法について検討した。 5.光学セルからの集光方法を検討した結果、光ファイバ-を用いるよりも、直接受光する方が感度が良いことが明らかとなった。 モデル系、酵素系、白血球系からの発光を検討した。 6.NaOClーH_2O_2系を用いて、検出感度、波長依存性などを検討した。 発光強度は、NaOCl、H_2O_2の濃度に依存して増大した。透過率の極大が、1167、1266、1368nmにある3枚の干渉フィルタ-を用いて検討した結果、本実験からの発光は、主として1266nm付近からのものであることが明らかとなった。 7.ブタ白血球からミエロペルオキシダ-ゼ(MPO)を精製し、MPOーH_2O_2ーCl^-系からの発光を測定した。発光が非常に微弱であったので、スペクトルの解析は困難であった。 8.白血球の刺激時に見られる発光を解析するために、測定の条件(温度・重水の濃度など)を検討した。
|