中学生200人を対象とし数学のテスト項目の反応データを1年生のときから3年間にわたって縦断的に収集し続けたパネル調査を昨年度終了し、今年度それらのデータ入力を完了した。さらに今年度より新たにデータの収集を開始している。 昨年度からはテスト項目の難易度と識別力の解析に入っているが、四分相関係数を求めるときに生ずる収束しない値の項目を削除したとき195項目中35項目とその数が多すぎた。そのため今年度削除する項目の順序を変えたところ18項目に減少し、残される項目数に大きな違いが認められた。さらに正答率が0.1以下または0.9以上のもの9項目の因子負荷量が0.5以下のもの23項目を削除して残りは145項目となった。これらについて識別力と難易度を求めた。主な統計量は、識別力Aの最大値1.51(このときの難易度Bは-1.34:以下同様)最小値0.58(Bは-0.25)平均値0.91であり、同様に難易度Bの最大値1.86(Aは0.88)最小値-2.35(Aは0.59)平均値-0.14であった。以上のように195項目の中から145項目について難易度と識別力を求めることができた。 また、データベースについても昨年度ファイルの設計を行い、それに基づいてリレーショナル・データベースのファイル記述言語により記述した。このファイルの内容としてテスト項目の特性を示す教科・学年・教科書・章・節をそれを示すコードと共に入力した。来年度は、これにテスト項目の教示・内容・正答・識別力・難易度を入力してデータベースを完成する。 今年度は、学習指導用ソフトウェアの開発における学習記録分析の手法のうち統計的方法についてまとめたほか、本分校に設置された教育実践研究システムやそれらの利用管理システムについて報告した。
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